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謹んで新年のご挨拶を申し上げます

あけましておめでとうございます。手術部部長の窪田 武から、新年のご挨拶をさせていただきます。

昨年はラグビーワールドカップが日本で開催され、日本は初のベスト8進出の快挙を成し遂げました。流行語になったONE TEAM! いろいろな国の出身者が団結して、強豪国をなぎ倒していった姿はまさに痛快!でした。世はまさにグローバル社会。私としてはこの日本という国を愛してくれる人ならば、どんどん日本に来てこの国を発展させてほしいと思っています。その一方で国会審議にすら応じず、高額の所得を得ている国会議員。問題が山積している中、この国を愛する気持ちがないのなら出て行ってほしい。少なくとも1回の欠席につき、10%の減俸くらいの決まりがあってもよいと思います。国会議員の引きこもりなど笑えない冗談です。

さて小生1999年から2001年の2年間、米国ワシントン州立大学でリサーチフェローをしていました。そのときアメリカ人の友人から、「この国で医療を受けると2度殺されるんだぜ」と教わりました。その意味ですが、1度目は病院で下手な医師の治療を受けて殺される。2度目は生き残って退院しても自宅に届いた請求書を見て殺されるというものです。アメリカは民間の保険会社が健康保険を運営しており、どうしても保険会社が利益を追求してしまいます。自然分娩は1泊まで、帝王切開を受けても2泊3日の入院が最大で、その後入院を希望しても泊るだけで1日10万円ほどの自費の請求が来ます。私自身、娘の歯科治療の請求が日本円で36万円、当時私の給料が月3000ドル(当時30万円くらい)でしたから、それを上回ってしまいました。子供がウイルス性胃腸炎で入院した後、いったいいくらの請求が来るか、とても不安に過ごしたことを記憶しています。

皆さんはこの国の国民皆保険制度についていろいろな感想をお持ちだと思います。2022年から75歳以上の自己負担が2割に増加する予定とのこと。多くの診療科にかかっている方は大変かもしれません。しかし上記の米国の現状を考えれば、わが国の健康保険のシステムははるかにすばらしい。米国では保険会社が許可しないと自由に病院にすらかかれない。日本では大手術を受けても、高額療養費制度により自己負担には上限があります。

近年わが国の健康保険制度存続に、少しずつ陰りが見えてきました。少子高齢化による医療費の増加に対応しきれなくなってきています。麻酔科関係で言えば、国民健康保険が泌尿器科の結石治療において、全身麻酔を認めないという問題が起きてきています。当然、脊椎麻酔などで対応するしかないわけですが、症例によっては脊椎麻酔が危険な場合もある。健康保険としては麻酔法を指定するけれども、その結果引き起こされる合併症については現場の医師が責任を取らなくてはならないという矛盾が生じて来ています。

いま一度、医療は限りある資源であるということを再認識すべきでしょう。この国の国民皆保険制度を守り、子供たちの世代に存続させてゆくために、自分たちにできることはないか考えなくてはなりません。自らの健康を維持する義務を放棄し、何もかも医療に頼りきりでは先に挙げた国会議員と変わりありません。1日30分のウォーキングをするだけでも、メタボリックシンドローム予防には効果があります。医療に頼らず、健康を維持する方法を国民皆がONE TEAMとなって考えてゆきましょう。

それでは今年が皆様にとって良い年でありますように、心から祈念しております。

【執筆者】
手術部部長 麻酔科・ペインクリニック 窪田 武