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手根管症候群とは

手根管症候群とは、正中神経という手に向かう神経が何らかの原因で影響を受けることで、手のしびれや痛み、細かい指の動きがしにくくなる症状が出現します。しびれは親指から薬指の半分(親指側)に出て、痛みやこわばりが出る場合も多くあります。
症状が進行すると親指の付け根の筋肉が萎縮し、指で「OKサイン」のきれいな丸が作れない、指先の細かい作業(ボタンのかけ外しや箸が持ちづらいなど)がやりづらくなってきます。
男性に比べて女性に多く、原因ははっきりとしていませんが、妊娠・出産期や更年期の女性に多く発症する「特発性手根管症候群」というタイプがあり、これは女性ホルモンの乱れによる滑膜性腱鞘のむくみが原因と考えられているものもあります。また、けがや仕事、スポーツでの手の使い過ぎ、腫脹や腫瘤などでも発症する場合があります。

診断としては、
【1】手首を打腱器などで叩くとしびれや痛みが指先に響く (ティネルサイン陽性)

【2】手首を直角に曲げて手の甲を合わせる、1分間以内にしびれや痛みが増悪する(ファーレンテスト)
【3】親指の付け根の筋肉が痩せる、筋力低下が出現する
これらが見られたら手根管症候群の可能性が高いと思われます。その他、感覚検査、神経電動速度、MRI、エコー検査などを組み合わせて診断します。

痺れや痛みによって日常生活で手の使用が減ることにより、『手』の機能が低下する可能性があります。手の機能を保つために手や指の運動、また生活上の工夫も必要となります。生活上の工夫としては手首への負担を減らすことが重要になります。包丁やフライパンを持つ際は両手で持つ、パソコンのキーボード操作の際は手首の下にタオルなどを丸めて置く、といった工夫が有効です。
手のしびれや痛みなどでお困りの場合は、整形外科医に相談しましょう。

 

【執筆者】
リハビリテーション科 作業療法士 清水 康弘